雪と氷の自然楽校 ①  -1泊2日- @前橋市赤城少年自然の家 2月18日(土)-19日(日)

 初日 マイナス18℃の世界 極寒の赤城 大沼湖畔
2日目 晴天  全天候楽しみました。


 恒例の冬のキャンプが行われました。
冬のキャンプは人気があります。 定員をはるかに超える応募が
ありました。 理由は雪以外にありません。

 通常、やまもりのキャンプは、環境教育プログラムを軸にして
企画され、そこには狙いやら意図やら、体験を通して野生生物の生態、
如いては、自然環境を学べるように組まれてます。 

 ですが、冬はベツモノ。 

 思う存分、雪を楽しむ。

 誰も歩いてない森林内の新雪の上、膝丈まで踏みしめて突き進む。
歩くだけで面白い。 言葉では表現しえない、ザックザックの快感(写真左下)。

 林間内の自然の地形を利用したソリ遊び(写真下中)。 
寒じき履いての追いかけっこに、基地づくり。

 あいにく、恒例の人間カーリングは湖面の降雪量の関係で中止となり、
雪合戦もまた、肝心の"玉"が軽い雪では握れず、子どもたちのリクエスト
すべては叶いませんでしたが、 名物のナイトハイクは敢行できました。

 細かい雪が横殴りで吹き付ける大沼湖上、風よけのため、雪の上に寝て、
空を眺めると、きれいな冬の星たちが輝いてました(写真中右上)。

 子どもたちはライトをもってません。膝丈の雪の中を歩くには、一列になり
前の子の後を黙って歩くだけです。 果たして、この隊列を第三者が見て
いたら、さぞ怖がることですが、動くものは、我々しかいません。
 雪を運ぶ風の音、雪の上を歩く音、暗い森の中、わずかに光る湖面。
厳しい自然。 白い世界。

 あらゆる説明は排除されます。

 感じること、体験すること、共有すること、共感すること。

 はじめて、自然の怖さを知る。 やさしくない自然。

 みんながいれば大丈夫。 そんなナイトハイクでした。
 

 そして、唯一のプログラム"夜のフクロウ"。
マイナス18℃の雪の降る暗闇の中を、ネズミになりきってターゲットを目指す。
雪を踏みしめる音、衣服の擦れる音、動物本来の持つ気配みたいなもの、
目隠しされた鬼の剱さんフクロウは、ブリザードの中、すべてを聞き分け
バッタバッタと近寄る子ネズミたちを返り討つ。

 想像してみてください。

 夜中の森の中、気配を消した子どもたちが、音も立てず、フクロウの足元
輝く小さな明かりを目指し、全身全霊で忍び寄る。 その集中力。

 じっと立ってるだけで苦痛以外何ものでもない寒さ。 

 しかも、暗い夜の森。 意味の分からないゲーム。

 だるまさんが転んだ。 

  音を立てずに歩くことは、森の中では鉄則です。

 動物を観察するには、気配を消して、周囲と一体になり、動物になることです。

 子どもたちは、そのケモノ性を楽しんでるのです。 みんなで、遊びを通して、
身体を使い、あらゆる感覚を研ぎ澄ませ、ゲームに興じる。 何回も、何回も。


 冷え切った身体を大浴場でみんなでお風呂。 みんなで就寝。 
 盛り上がるのは深夜のガールズトーク。 何を話してるのやら。

 翌朝、さすがに、体調を心配しましたが、自由参加の早朝散歩には、半分以上
の子が参加(写真中下)。 みんな元気。 氷結した湖の上で朝陽の昇るのを見、
キツネの足跡を追いかける。 冬の赤城。 思う存分、遊び倒しました。

                                  K


                                  スタッフ一同

 

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