夏の分校キャンプ Part17月16日(土)〜18日(月) @赤城山白川分校

  晴天に恵まれる。

 小学生12名 中学生3名でのこじんまりした のんびりキャンプ。

 まずは火起し体験からスタート。 ほとんどの子が経験者、上級者です。
湿度もなく、真夏の照り上がった日の夕方、額に汗して、煙と格闘しながら、
それぞれに組んだブロックの炉を囲み、火花から始まる小さな炎を大事
そうに小枝に移し、薪の大きな炎から木炭へと火力を強め、同時進行で
行われる調理組からの鍋やら、切られた野菜やらで、そのまま夕飯の
支度という"オールドスタイル"です。

 自分で食べるものは自分で

 もちろん、火着けに時間がかかれば、その分、その班は食べる時間が
遅れる。
  それでも充分 楽しんでる。
 不思議に男子の方が手間取ることが多いのがおもしろい。理由は単純で、
初期の段階でのイジリ過ぎによる酸素不足が起きてしまう。 燃え出したら、
ジャンジャン燃料を投下して、結果、あえなく鎮火。 そして、また、ゴシゴシ
と再スタート。そのための燃料も森の中に採りに行く。 駆け足で。

 何度もくりかえし、喧嘩しながら、かわりばんこにチャレンジ。

 "行為が目的化して、それ自体を楽しむ"

 大人は傍から覗くだけで、あまり手伝いません。最初に、手本を見せたら、
あとは本人たちに試行錯誤してもらう。 それが楽しいのだから覚えも早い。

 結局、その残り火は、校庭のテント村中央に置かれ、焚き火となり 就寝前の
ふりかえりの時間のキャンドルファイアー(写真参考 下)。 一人ひとり、
一日で感じたことをみんなの前で発表しました。 雰囲気が良いと、割と
話してくれます。暗いから、表情見えませんから・・・

 <この夜、稜線から昇る満月はとても赤く、さすがに子どもたちを静かにさせ、
深い夜の森の静けさとともに、何やら不穏な気配を感じさせました。>

  月夜に光る雲は薄く、隙間から覗く星々もぼんやりした夏の高い空。

  子どもたちの夜は深い。

 寝静まり、種火を消して、宿直室に戻ると、子どもたちのひそひそ話が始まり、
それがやがてエスカレートし、笑い声となってゆく。テントからテントへと伝播。 
大人がいないのを(どういう訳か)確認すると、そこから抜け出し、となりの
五月蠅いテントを注意しながらクワガタの集まる電燈下をチェックしにいく者。
その動きに賛同する者。 怖いからと、テント内全員を連れ出してトイレにいく者。
もう一度、わずかな火から焚き火を試みる者。それに抗って寝る者。子どもたち
の夜は深い。おそらく、彼らにとって一番大切な時間なのでしょう。
 それが理解るから、注意することを躊躇わせる。 やがて、ポツリポツリと
電池が切れてゆくかのように、結局、寝静まるのは、満月が真上に昇る頃。
 毎度、夜担当のスタッフは、祭が静まるのを祈るかのように過ごしてます。


 翌朝、明るくなって起きてきたのはいいものの時刻はまだ5時前。それでも、
眠い目を擦りながら、ルーティーンで、火起しを始めてる。

  身体で覚えるには反復するしかない。

 朝の散歩に出かける子もいる。少し冷んやりとして、それでいて気持ちいい。
山、特有の木々のクーラー。 朝陽は、またたく間に身体を温め、朝食の頃には、
みんな汗を掻きはじめてました。

  寝るのも外、食べるのも外、遊ぶのも外。

     <さすがに今回は、予想以上の暑さでしたので、図書室に避難や、
      体育館での活動を取り入れました。>

 2日目、一日中、遊びっぱなし。夕方、お風呂を借りに、大沼湖畔まで下り、
榛名ネイチャーゲームの会の皆さんから体験ゲームをしていただき、
一路、分校に戻る。 さすがに疲れ、この日は11時には全員就寝。 (さすがにね)

  こんなに静かな夜は初めてでした。


     この夜、鹿の鳴き声が響き、闇夜に光る二つの青い目を観察。
     夜の森を走り回る小動物の足音。不思議と子どもたちが寝静まると
     彼らもまた、動き出す。


 そして迎える 最終日。みんなで峠を越え、サンショウウオのいる沢までトレッキング。
凍えるような冷たさの沢水にびっくりしながら、水中では小魚のような動きをする
この変わった生き物(写真参照 手のひら)。みんな一生懸命、石を動かしながら、
捕まえました。その手は十分冷たくなり、一同、両生類の扱い方をマスターしました。

 そして、いよいよ。

 大嫌いな後片づけ。

 テント撤退。かまど解体。

 帰りの支度。

 バスで山をおり、一路、迎えの待つ富士見温泉へ。バスの車内は全員就寝。

 つかの間の三日間。少し勇ましくなって。 ほんとおつかれさまでした。

                         

 <失念: ナイトハイクで覚満淵を歩いた際に、その穏やかで鏡のような
   湖面と空に浮かぶ二つの月がとても印象的でした。写真に残せず。>

                                          K

追伸 中学生のみなさん ありがとうございました。
君たちの関わりを誇りにおもいます。

一覧に戻る